被災市街地復興推進地域の重説、許可制限と期間を確認
災害後の市街地では、対象区域内で建築や土地造成を進める前に許可が必要になることがあります。宅建業者は、対象地が被災市街地復興推進地域に入るか、そして取引時点で行為制限が残っているかを確認し、買主へ説明する必要があります。
この記事では、重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。で確認したい区域該当性、許可の対象行為、確認先を、被災市街地復興特別措置法第7条第1項の内容に沿って整理します。
アンちゃん被災した地域の物件でも、都市計画図に何か載っていなければ、重説では特に確認しなくていいのでしょうか?
ケンさんそこは早合点したらあかん。まず、対象地が被災市街地復興推進地域の区域内かを、都市計画の区域図と地番・位置で照合するんや。
アンちゃん区域内だったら、建築確認の話だけでは済まない可能性があるんですね。
ケンさんそのとおり。区域内では、土地の形を変えることや、建物を新築・改築・増築することに、原則として許可が必要になる。区域内かどうかと、制限期間が満了していないかは、取引ごとに確認するポイントやで。
まず押さえる:推進地域は「災害後のまちづくり」を進める区域
被災市街地復興推進地域は、大規模な火災、震災その他の災害で相当数の建築物が失われ、不良な街区環境が生じるおそれがある区域について、土地区画整理事業や市街地再開発事業などの整備を行う必要がある場合に、都市計画で定めることができる区域です(区域を都市計画で定められることを示す被災市街地復興特別措置法第5条第1項)。
都市計画では、行為制限が続く期限である制限期間の満了日も定めます。その日は災害発生日から起算して2年以内の日でなければなりません(満了日を定めることと、その期限を定めた被災市街地復興特別措置法第5条第2項・第3項)。
ここで重要なのは、過去に推進地域として都市計画決定された履歴だけで、取引時点の許可制限が続いているとはいえないことです。人吉市は、同市の推進地域に関する建築制限が令和4年7月3日をもって解除されたと公表しています。
区域内で確認する行為と許可の基本整理
| 確認する行為 | 区域内・制限期間内の基本的な扱い | 実務で確認すること |
|---|---|---|
| 土地の形質の変更 | 原則として許可が必要 | 行為内容・規模と、都市計画への適合性などを許可権者へ確認する |
| 建築物の新築・改築・増築 | 原則として許可が必要 | 建築確認とは別に許可が必要かを確認する |
| 建築物の修繕 | 建築制限の対象外とされている | 計画が修繕に当たるかは、行為内容を確認する |
| 許可の対象となる行為 | 許可権者は都道府県知事、市の区域内では市長 | 対象地の区域と行為計画を示して、関係行政庁へ照会する |
重説前に進める確認フロー
許可の要否は、行為の名前だけで決めない
推進地域内では、制限期間の満了日まで、土地の形質を変更すること、建築物を新築・改築・増築することについて、原則として許可を受ける必要があります(何をする前に許可が必要かを定めた被災市街地復興特別措置法第7条第1項)。市の区域内での許可権者は市長であり、それ以外では都道府県知事です。
土地の形質の変更には、都市計画に適合し、整備改善措置の実施を困難にしない0.5ヘクタール以上の規模のものなど、許可権者が許可をしなければならない行為があります(許可すべき土地の形質変更を定めた被災市街地復興特別措置法第7条第2項第1号)。ただし、個別の行為がどの扱いになるかは、対象地の都市計画決定内容と行為計画を確認して判断します。
建築物の新築・改築・増築にも、自己居住用住宅または自己業務用建築物で、階数・地階の有無、主要構造部、移転・除却の容易性、敷地規模に関する要件を満たすものなど、許可権者が許可をしなければならない行為があります(許可すべき建築行為を定めた被災市街地復興特別措置法第7条第2項第2号)。一方で、建築物の修繕は建築制限の対象外とされています。
石巻市で推進地域が定められた際には、区域内の新築・改築・増築には、建築基準法に基づく確認済証とは別に、原則として同法第7条第1項の許可が必要であると周知されました。建築確認の手続を確認しただけで、推進地域に関する許可確認まで済んだことにはなりません。
許可違反や許可条件違反がある場合には、土地を元の状態へ戻すこと、建築物その他の工作物を移転・除却することを命じられる可能性があります。また、命令違反は罰則の対象となり得ます。詳細は当該法令を確認してください。
アンちゃん区域図、制限期間、照会内容まで案件ごとに整理できたら、重説を作るときに確認漏れを減らせそうです。
ケンさんそうやな。推進地域の該当性や許可の要否は、都市計画図書と関係行政庁への照会で確認する。そのうえで案件情報を整えておくとええ。
アンちゃんanken.は、こういう重説作成の整理にも使えますか?
ケンさんanken.では、案件情報を一度入力すれば、重説や売買契約書など約20種を自動作成・連動できるで。登記簿や路線価図、重要事項説明書などの書類は、アップロードするとAIが読み取る。住所から自動取得できるのは用途地域都市計画法に基づき、地域ごとに建てられる建物の種類や用途を定めた区分。住居系・商業系・工業系などがあり、建てられる建物が変わります。・ハザードのみで、対応データは拡大中や。今回の許可確認そのものは、都市計画図書と関係行政庁への照会で押さえよう。
まとめ:区域・期間・行為を分けて確認する
まとめると、被災市街地復興推進地域に関する重説では、まず対象不動産が区域内か区域外かを都市計画図書と対象地の地番・位置で照合します。次に、都市計画で定められた制限期間の満了日を確認し、取引時点で行為制限が現に残っているかを確かめます。
区域内かつ制限期間内であれば、土地の形質変更や建築物の新築・改築・増築について、許可が必要となる可能性を買主へ説明します。許可権者は都道府県知事で、市の区域内では市長です。個別行為の扱いは一般論で決めず、都市計画を決定した地方公共団体の都市計画図書と関係行政庁への照会で確認することが、実務者として押さえるべき基本です。
出典: e-Gov法令検索 / 国土交通省 / 自治体(city.hitoyoshi.lg.jp)
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書補足資料(令和7年4月) / 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書(作成時点)
