重要土地等調査法の重説、届出規定と区域指定を分ける
注視区域の検索結果が出ると、重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。にそのまま入れるべきか迷いやすいところです。けれども、法定説明項目かどうかは区域名ではなく、重要事項説明書で説明対象として列挙されている規定から判断します。
この記事では、注視区域だけでは法定説明項目にならない理由と、特別注視区域で契約前に確認する順番を整理します。
アンちゃん特別注視区域かもしれない200平方メートルの土地等です。注視区域まで重要事項説明書に入れるんですか?
アンちゃん第5条の注視区域が見つかったので、届出の説明対象だと思っていました。
ケンさんそこは分けるといいね。重要事項説明書で説明対象として列挙されているのは、契約前の届出を定める第13条第1項だけなんだよ。第5条と第9条は列挙に入っていない。
法定説明項目は「届出の規定」だけで判定する
宅地又は建物にかかる法令上の制限について、契約成立までに概要を説明することを定めた規定があります(説明する事項を定めた宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。第1項第2号)。その説明対象は、契約内容に応じて政令で定めるものです。
重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律について、政令が重要事項説明書の対象として列挙しているのは、特別注視区域内の対象土地等の契約前届出を定める規定です(説明対象を列挙する宅地建物取引業法施行令第3条第1項、届出を定める同法第13条第1項)。
一方、一定の重要施設周辺又は国境離島等を注視区域として指定できることを定める規定は、同じ列挙に含まれていません(区域指定を定める同法第5条第1項)。したがって、注視区域であること自体は、重要事項説明書の法定説明項目ではありません。
重要事項説明書の作成では、注視区域という検索結果を見た段階で記載対象と決めず、まず特別注視区域内かどうか、次に届出規模に当たるかを確認します。
特別注視区域の届出と重要事項説明書を確認する手順
アンちゃん区域、規模、当事者、契約前の届出まで、順番に見れば混ざりませんね。登記簿の確認も同じ案件で進めたいです。
アンちゃんanken. は、住所から用途地域都市計画法に基づき、地域ごとに建てられる建物の種類や用途を定めた区分。住居系・商業系・工業系などがあり、建てられる建物が変わります。・ハザードを自動取得できるんですね。対応データも拡大中なんですね。
ケンさんそうだね。登記簿や路線価図、重要事項説明書などの書類はアップロードするとAIが読み取る。案件情報を一度入力すれば、重要事項説明書や売買契約書など20種を自動作成・連動できるんだよ。
✅ 重要事項説明書の作成前に行う確認チェックリスト
- 住所又は地番で重要土地ウェブ地図を検索したか
- 検索結果が注視区域か特別注視区域か
- 特別注視区域内の土地等であるか
- 土地面積又は建物床面積合計が200平方メートル以上か
- 所有権又は取得目的の権利の契約か
- 売主・買主双方の届出義務を整理したか
- 契約締結前の届出予定を確認したか
- 郵送時に契約予定日の前日までに到達するか
まとめ
実務者として押さえるべきは、重要事項説明書の法定説明対象が、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律の第13条第1項に限られる点です。注視区域という結果だけで法定説明項目とせず、特別注視区域、200平方メートル以上の規模、契約内容、売主・買主双方の契約前届出を順に確認します。
この確認作業は、anken. では登記簿をアップロードするとAIが所有者などを読み取り、重要事項説明書の登記記録の欄に転記できます。
出典: e-Gov法令検索 / 内閣府 / 官公庁(japaneselawtranslation.go.jp)
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書 / 全日本不動産協会 重要事項説明書補足資料(令和7年4月)(作成時点)
この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 宅地建物取引業法 / 宅地建物取引業法施行令
