盛土規制法の重説対象6規定、許可と届出の整理
宅地造成及び特定盛土等規制法危険な盛土等による災害を防ぐため、盛土や切土の規制区域を定めた法律。区域内では造成に許可が必要になる場合があります。に関する重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。では、施行令が挙げる6つの規定を確認し、手続を正しく分けることが出発点です。とくに、第27条と第28条を許可として扱わないことが、記載の取り違えを防ぐポイントになります。
この記事では、重要事項説明書(重説)に向けて、許可に関する4規定と届出に関する2規定を分け、物件ごとに確認して記載する順番を整理します。
アンちゃん売買案件の重要事項説明書を作っています。施行令に6つの規定が並んでいますが、手続の種類まで分けて整理する必要がありますね。
アンちゃん第27条と第28条も、ほかの条文と同じように許可として書けばいいんですか?
ケンさんそこは分けないとまずいね。特定盛土等又は土石の堆積に関する工事を届け出る制度を定めたのが第27条第1項で、変更を届け出る制度を定めたのが第28条第1項なんだよ。どちらも届出だね。
アンちゃん重説のどこに書くんですか? 条文だけ並べると、許可か届出かが伝わりません。
ケンさん根拠規定と手続の種類を対応させて記載しておくといい。まず6規定を許可4つ、届出2つに区分してから、対象となる工事がどちらに当たるかを物件ごとに確認するのが早い。
重要事項説明の対象は、施行令が列挙する6規定
宅地又は建物について、契約内容に応じた法令上の制限の概要を、契約成立までに書面で交付して説明することを定めているのが宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。第1項第2号です。貸借以外の契約では、列挙された法律の規定に基づく制限で、その宅地又は建物に係るものが重要事項説明の対象になります。
宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)について、重要事項説明の対象として6規定を列挙しているのが宅地建物取引業法施行令第3条第1項第27号です。6規定を一律に「許可」と扱わず、条文ごとの手続を確認することが重要です。
よくある失敗は、施行令に6規定がまとめて列挙されているため、手続区分を分けないまま第27条第1項と第28条第1項まで許可として記載・説明してしまうことです。先に許可と届出の2群へ分ければ、この誤りを避けやすくなります。
宅地造成及び特定盛土等規制法の重要事項説明対象6規定
| 手続の種類 | 規定と内容 | 確認時の整理 |
|---|---|---|
| 許可 | 宅地造成等工事規制区域内の宅地造成等工事を、着手前に許可とする規定(第12条第1項) | 許可 |
| 許可 | 許可を受けた宅地造成等工事の計画変更を、軽微な変更を除いて許可とする規定(第16条第1項) | 許可 |
| 届出 | 特定盛土等規制区域内の特定盛土等又は土石の堆積に関する工事を、原則として着手日の30日前までに届け出る規定(第27条第1項) | 届出 |
| 届出 | 届出済み工事の計画変更を、軽微な変更を除いて変更後の着手日の30日前までに届け出る規定(第28条第1項) | 届出 |
| 許可 | 特定盛土等規制区域内の政令で定める規模の工事を、着手前に許可とする規定(第30条第1項) | 許可 |
| 許可 | 許可を受けた特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の計画変更を、軽微な変更を除いて許可とする規定(第35条第1項) | 許可 |
重要事項説明書へ記載するまでの確認手順
アンちゃんこの順番なら、盛土規制法の確認結果と、ほかの重説情報を案件ごとにまとめて管理したくなりますね。
アンちゃんanken. では、住所から盛土規制法の情報まで自動取得するんですか?
ケンさん住所から自動取得できるのは用途地域都市計画法に基づき、地域ごとに建てられる建物の種類や用途を定めた区分。住居系・商業系・工業系などがあり、建てられる建物が変わります。・ハザードのみで、対応データは拡大中だね。登記簿や路線価図、重説などの書類はアップロードするとAIが読み取る。盛土規制法の許可・届出の区分は、今回のように確認して案件情報へ入れておくといい。
アンちゃん案件情報を一度入力すれば、重説や売買契約書など20種を自動作成・連動できるんですね。
✅ 盛土規制法の重要事項説明前チェックリスト
- 施行令第3条第1項第27号の6規定を確認したか
- 第12条第1項と第16条第1項を許可として整理したか
- 第27条第1項と第28条第1項を届出として整理したか
- 第30条第1項と第35条第1項を許可として整理したか
- 対象工事が許可又は届出のいずれかを物件ごとに確認したか
- 根拠規定と手続の種類を対応させて記載したか
許可4つ・届出2つを、記載前に必ず分ける
まとめると、施行令第3条第1項第27号が列挙する6規定のうち、許可に関する規定は第12条第1項、第16条第1項、第30条第1項、第35条第1項です。届出に関する規定は第27条第1項、第28条第1項であり、届出を許可として誤記・誤説明しないことが実務上の要点です。
物件ごとに対象工事を確認したうえで、重要事項説明書には根拠規定と手続の種類を対応させて記載します。この確認作業は、anken. では登記簿をアップロードするとAIが所有者などを読み取り、重要事項説明書の登記記録の欄に転記できます。
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書補足資料(令和7年4月)(作成時点)
この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 宅地建物取引業法 / 宅地建物取引業法施行令
