重要事項説明書 解説シリーズ

土壌汚染対策法の重説、区域名から制限を取り違えない

更新: 2026年8月21日監修: 小野 海士(宅地建物取引士・不動産実務15年)
土壌汚染対策法の重説、区域名から制限を取り違えない

土壌汚染対策法の要措置区域形質変更時要届出区域は、名称が似ていても、土地利用に対する制限の重さが違います。重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。(重説)では、区域名だけを伝えるのではなく、土地の形質変更に何が起きるかを分けて説明することが重要です。

要措置区域は原則として形質変更が禁止され、形質変更時要届出区域は着手前の届出が必要です。契約成立までに説明する法令上の制限として、先に区域を確定し、その後に制限の内容を整理します。

アンちゃんアンちゃん土地の形質変更に関する区域を確認できました。でも、重説では区域名を書けば足りるんですか?

アンちゃんアンちゃん形質変更時要届出区域なら、着手日の14日前までに届出ですよね。要措置区域も同じ扱いですか?

ケンさんケンさん同じ扱いにはしないほうがいいね。要措置区域は、土地の形質変更を原則禁止にしたルールなんだよ。届出の区域とは制限の重さが違う。

アンちゃんアンちゃん名前が似ているので、届出の有無だけを確認しそうでした。

ケンさんケンさんそこがよくある落とし穴だね。まず区域内かを確定して、次に禁止か届出かを重説の法令上の制限として分けておくといい。

アンちゃんアンちゃん区域名ではなく、土地利用にどう影響するかまで説明するんですね。

要措置区域と形質変更時要届出区域の重要事項説明書での区別

確認する区域制度上の位置付け土地の形質変更に関する扱い重要事項説明書で伝える内容
要措置区域土壌汚染状況が指定基準に適合せず、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当すると認められる土地の区域原則禁止。例外は法令上の3類型に限られる区域内では土地の形質変更が原則禁止であること
形質変更時要届出区域土壌汚染状況が指定基準に適合しない一方、要措置区域の指定要件である人の健康被害のおそれに係る要件には該当しないと認められる土地の区域着手日の14日前までに都道府県知事へ届出区域内で土地の形質変更をするときは届出が必要であること

重要事項説明書に落とし込む確認手順

1. 対象土地が都道府県知事により指定された要措置区域又は形質変更時要届出区域に当たるかを確認する
2. 要措置区域なら、土地の形質変更が原則として禁止されることを整理する
3. 要措置区域の例外は、実施措置、通常の管理行為・軽易な行為等、非常災害のために必要な応急措置の3類型に限られることを確認する
4. 形質変更時要届出区域なら、変更の種類、場所、施行方法、着手予定日その他の事項を、着手日の14日前までに都道府県知事へ届け出ることを整理する
5. 契約成立までに、宅地建物取引士が法令上の制限に関する事項の概要として、禁止と届出を区別して説明する
よくある失敗:似た区域名を同じ制限として説明する
要措置区域と形質変更時要届出区域は、土壌汚染対策法では別の節に置かれています。名称が似ているため、要措置区域の原則禁止を、届出の話として処理してしまうことがあります。要措置区域では土地の形質変更を原則としてしてはならず、例外は法令上の3類型に限られます。形質変更時要届出区域では、着手日の14日前までの都道府県知事への届出が必要です。

✅ 重要事項説明書に記載・説明する前の確認チェックリスト

  • 対象土地が要措置区域に指定されているか
  • 対象土地が形質変更時要届出区域に指定されているか
  • 要措置区域の形質変更を原則禁止として区別したか
  • 例外が法令上の3類型に限られると確認したか
  • 届出期限を着手日の14日前として確認したか
  • 重要事項説明書で禁止と届出を分けたか

アンちゃんアンちゃん区域の確認結果と、重説に書く制限の整理を同じ案件情報で管理できると助かります。

ケンさんケンさんanken.なら、案件情報を一度入力すれば、重説や売買契約書など20種を自動作成・連動できるんだよ。

アンちゃんアンちゃん住所から、この区域まで自動取得されるんですか?

ケンさんケンさん住所から自動取得できるのは用途地域都市計画法に基づき、地域ごとに建てられる建物の種類や用途を定めた区分。住居系・商業系・工業系などがあり、建てられる建物が変わります。とハザードで、対応データは拡大中だね。この区域は確認結果を取り違えずに整理するのが大事なんだよ。

アンちゃんアンちゃん登記簿や重要事項説明書などの書類をアップロードすると、AIが読み取る機能もあるんですね。

ケンさんケンさんそう。確認した内容を案件ごとに整えて、説明の粒度をそろえておくといい。

要措置区域は原則禁止、形質変更時要届出区域は届出として整理する

まとめると、土壌汚染対策法では、要措置区域形質変更時要届出区域が別の節に置かれています。要措置区域は、土地の形質変更を原則としてしてはならないと定めたルールであり、例外は3類型に限られます(形質変更の原則禁止を定めた条文が土壌汚染対策法第9条です)。

形質変更時要届出区域では、土地の形質変更をしようとする者が、変更の種類、場所、施行方法、着手予定日その他の事項を、着手日の14日前までに都道府県知事へ届け出ます(着手前の届出を定めた条文が土壌汚染対策法第12条第1項です)。

宅地建物取引業者は、契約成立までに宅地建物取引士をして法令上の制限に関する事項の概要を説明します(契約までの説明を定めた条文が宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法で、契約の前に買主・借主へ重要事項を書面で説明する義務を定めた条文。重要事項説明書(重説)の根拠となる規定です。第1項第2号です)。重要事項説明書では、要措置区域は「禁止」、形質変更時要届出区域は「届出」として、土地利用への影響を明確に区別します。

この確認作業は、anken. では登記簿をアップロードするとAIが所有者などを読み取り、重要事項説明書の登記記録の欄に転記できます。

出典: e-Gov法令検索

参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書(売買編)解説書 / 全日本不動産協会 重要事項説明書補足資料(令和7年4月)(作成時点)

この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 土壌汚染対策法宅地建物取引業法

小野 海士の顔写真
小野 海士
代表取締役 / 宅地建物取引士
株式会社オッティモ・不動産実務15年。実務に基づき、宅地建物取引業法・関係法令に沿って監修しています。
監修元株式会社オッティモ

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